気まぐれなエンジェル ~プレシャスメモリー 洋上パーティーの夜~

気まぐれなエンジェル ~プレシャスメモリー 洋上パーティーの夜~

エツは音楽大学のピアノ科の学生で、私がアルバイトをしている喫茶店で出会った才能豊かなシンガーソングライターだ。 先日、私のバンドが出演した自主コンサートに彼女が足を運んでくれたことが縁で、急遽彼女の大学が主催する洋上パーティーで彼女のバックバンドとして演奏することになった。 当日はガールフレンドのみさきと一緒に、会場のある港から船に乗り込み、ラウンジへと向かった。 演奏する曲は私にとって未知のジャンルのポップスや彼女のオリジナル曲で、バンドメンバーとも初対面での本番だった。 船内のラウンジはちょう ... 続き
気まぐれなエンジェル ~プレシャスメモリー 高原のカレーハウス~

気まぐれなエンジェル ~プレシャスメモリー 高原のカレーハウス~

今夜は六本木の会員制のクラブで歌うということで、お供をすることに決めた。 そのクラブは、六本木の交差点から少し入った、細く急な坂道の途中に位置していた。 薄暗い店内に足を踏み入れると、見覚えのある芸能人たちが酒を楽しんでおり、どこか特別な雰囲気が漂っていた。 ステージが何度か終わった後、マリは私に知らないプロバンドの曲をギターで弾いてほしいと頼んできた。 突然のお願いに驚きながらも、しぶしぶ了解し、かなり緊張しながらも数曲演奏することになった。 マリの仕事が終わったのは夜明け寸前で、プロの世界は ... 続き
気まぐれなエンジェル ~プレシャスメモリー 大きな家族~

気まぐれなエンジェル ~プレシャスメモリー 大きな家族~

次の休日にマリの家に遊びに行くと、庭にはかなり使い込んだ雰囲気の車が停まっていた。思い出すと、マリは免許取り立てで、軽自動車で自走して上高地の合宿所まで一人で来た事があった事を思い出した。 家の玄関を開けると、クマほどの大きさの犬が突如として抱きついてきて、顔をべろっと舐められ、唾でびしょびしょになった。マリは笑いながら、新しい家族を紹介してくれて、あの大きな犬小屋はこの家族のためにあるのだと理解した。 部屋は綺麗に片付いていて、あの家族と暮らすにはちょっと広すぎると思ったが、深く詮索することはせずに ... 続き
気まぐれなエンジェル ~プレシャスメモリー ジャズボーカル みさき~

気まぐれなエンジェル ~プレシャスメモリー ジャズボーカル みさき~

大学では軽音楽クラブでリードギターを担当していた私。 しかし、入学してみた大学の軽音楽クラブの音楽レベルの低さに愕然とし、結局、高校時代の同級生が通う大学に毎日通うことを決意した。 その大学には古い大講堂があり、その下には防音された練習場や楽器置き場などが整備されていた。 ここで様々なジャンルの軽音楽クラブが練習しており、ロック、ジャズ、ボサノバなどが共存していた。 大講堂の練習場で、ジャズのバンドのボーカル、みさきという才能あるアーティストに出会った。 その瞬間、私の音楽の興奮が再燃し、新たな ... 続き
気まぐれなエンジェル ~プレシャスメモリー 家の中の浜辺~

気まぐれなエンジェル ~プレシャスメモリー 家の中の浜辺~

マリと一緒に羽田空港まで迎えに行くと、そこにはなんと、ケージに閉じ込められた黒くて可愛らしい猫の家族が待っていた。 駐車場で車に向かおうとした瞬間、マリが可哀そうだからと言って猫をケージから解放し、その結果、この愛らしい家族はマリの手から逃げ出してしまった。 結局、夜の広い羽田空港の駐車場で何時間にわたり、この家族を探すことになった。 車に乗り込んでも、ダッシュボードの奥深くに入り込んでしまい、どこにいるのか分からず、探すのは容易ではなかった。 1週間が経ち、引っ越しが終わった頃、マリからの電話が ... 続き
気まぐれなエンジェル ~プレシャスメモリー ボーカリスト募集~

気まぐれなエンジェル ~プレシャスメモリー ボーカリスト募集~

夏の合宿を控えたある日、バンドのドラマーである吉田とベーシストの永田が激しいけんかを繰り広げ、結局、吉田が突然バンドを辞めることになった。 その時、同じ大学でベーシストを探していた別のバンドが偶然にも現れ、ふたつのバンドが意気投合してツインギター、ベース、ドラムの4人組の新しいバンドが誕生した。 メンバーが揃い、マリも予定通り後から加わり、いよいよ合宿が始まった。 我々のバンドは以前からボーカリストを募集していたが、何人かの男性とのオーディションがうまくいかなかった。 そんな折、合宿に参加していた ... 続き
気まぐれなエンジェル ~プレシャスメモリー 可愛い家族~

気まぐれなエンジェル ~プレシャスメモリー 可愛い家族~

それから数日後マリから電話が掛かって来て、突然一緒に一軒家を探して欲しいと言う。 かなり唐突なリクエストだったが、快く了解して一緒に探す事になった。 マリを待ち合わせの場所に迎えに行くと、終着駅で会った時とは打って変わって、ビキニに近いヘソだしルックでドキッとした。 知り合いの不動産屋に行くとかなり古い木造の平屋の物件があり、さっそく見に行くとマリはえらく気に入った様子。一軒目で住む場所が決まってしまった。 また数日後、マリから電話があり前の家に一緒に住んでいた家族を羽田に迎えに行くから一緒に来て ... 続き
気まぐれなエンジェル ~プレシャスメモリー 学生街の喫茶店~

気まぐれなエンジェル ~プレシャスメモリー 学生街の喫茶店~

私は大学のサークルでバンドのギターを担当していて、バンドのメンバーたちと一緒に夏休みのバンドの合宿の打ち合わせのためにその喫茶に初めて入った。 喫茶店に入るとマスターと女の子ひとりだけの小さな喫茶店だった。ほかの客はおらず一番手前の席に座り合宿の打ち合わせを始めた。 合宿の場所は八ヶ岳の温泉旅館で、冬はスキー場だが夏は全く客が来ず暇なので大音響でバンドの合宿に使っても良いと言う。 女の子が注文を取りに来くると。バンドのドラムの吉田がその女の子に大学生かと聞いた。すると女の子は高校生だと答えた。 女 ... 続き
気まぐれなエンジェル ~プレシャスメモリー 黒いカバン~

気まぐれなエンジェル ~プレシャスメモリー 黒いカバン~

この物語は自分が電車の中に愛用の黒のカバンを忘れて、終着駅まで取りに行ったことから始まった。 普段では決して下車しないはずの終着駅で黒のカバンを受け取り、再び電車に乗ろうとした瞬間、電車から降りてきた女性が突然声をかけてきた。 「春田くん、久しぶり!」見知らぬ駅で見知らぬ女性に声をかけられ、自分はびっくりしてキョトンとしていると、「ほら、マリだよ。以前、大学のサークルで一緒だったの。」と彼女は微笑みながら言った。 そう言われてみると、以前の面影はあるけれど、何かが変わっていて、彼女は以前 ... 続き